どうもGenki(@GecchoM)です。
私は先日ついにFIREを達成し、現在はベトナムにプチ移住中の一般男性です。
というテーマでお話しします。
なぜ今更になってS&P500について話すのかというと、長らくS&P500のパフォーマンスを牽引してきたGAFAMの決算発表がボロボロだったというニュースを受けて、S&P500の時代が終焉し、これからは個別株投資の時代が来ると、SNSで話題になっていたからですね。
投資を始めたばかりの人、S&P500に投資を始めたばかりの人の中には、それを聞いて不安になってしまった人も少なからずいると思います。
ということで、今回は、それでも私がS&P500に投資をし続ける理由を紹介します。
私は現在、S&P500には1200万程度(ちょっと前までは6000万)投資をしていて、この先も継続して積み立てていくつもりです。
- GAFAMの決算まとめ
- そもそもS&P500とは?
- S&P500が終焉と言われている理由
- それでもS&P500に投資する理由
GAFAMボロボロ
そもそもGAFAMの決算がどうだったのかをおさらいしていきたいと思います。
今週、あのGAFAMが相次いで7-9月決算を発表しました。
結論から言うと全滅だったようです。
全滅というのは、飽くまで市場予想と比べて悪かったという意味です。
Twitterで毛根女子さんがとても分かりやすい絵を描いていたのでお見せします。
要するに全て崖から転落していますが、なんとかAppleだけはギリギリ片手で踏ん張っており、MetaとAmazonは真っ先に落ちてる状態ですね。
GAFAMの決算を順番に見ていきたいと思います。
Alphabet(Google)
7-9月実績 | 市場予想 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 691億ドル | 707億ドル | +6% |
EPS | 1.06ドル | 1.25ドル | -24% |
売上高は前年同月比で6%増加したものの、売上高・利益とも市場予想を下回り、決算翌日の株価は-10%を記録しました。
特にYouTubeの広告収入が前年同期比2%減で伸び悩んだことが利益が減ったことに影響したみたいです。
いろんなYouTuberも言っていますが、徐々に広告収益が減っているそうです。企業が広告にあまりお金を出さなくなったということでしょうか?
さらにこの会社は、海外売上比率が多いので、ドル高の逆風が強いです。
おそらく10~12月期に為替の影響はさらに大きくなると言われてます。
Microsoft
7-9月実績 | 市場予想 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 501億ドル | 496億ドル | +11% |
EPS | 2.35ドル | 2.30ドル | -13% |
売上高は、市場予想を上回ったものの、伸び率は過去5年間で最も低い水準にとどまってしまいました。
マイクロソフトの売上高のうち5割近くを米国以外が占めるため、やはりこちらもドル高のせいで収益が圧迫されているみたいです。
もし、ドル高の影響がなければ、売り上げは前年同期比で42%のプラスだったと言われています。
決算翌日の株価は、-8%を記録しています。
Meta(Facebook)
7-9月実績 | 市場予想 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 277億ドル | 273億ドル | -4% |
EPS | 1.64ドル | 1.89ドル | -49% |
Metaがある意味一番盛り上がっています。
決算翌日の株価は、-25%を記録しました。
2四半期連続の減収で、10~12月期も売上高の減少も続く見通しを示しました。
利益に関しては、前年同期比で半減しました。
Alphabetもそうですけど、ネット広告を収益源とする企業の業績成長が鈍化してきています。
にも関わらず、tiktokなどの新規参入社が続々とやってくる中で競争が激化しているんです。
さらに最近Metaが力を入れているメタバース事業は世界中で大きな批判にさらされてますからね。大変ですよ。
Amazon
7-9月実績 | 市場予想 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 1271億ドル | 1274億ドル | +15% |
EPS | 0.28ドル | 0.21ドル | -10% |
売上高が前年同期比15%増だったが、市場予想を少し下回り、さらに営業利益はなんと前年同月比48%減を記録しました。
AWSの売り上げは27%増だったようですが、伸び率は市場予想を下回ってしまいました。
さらに年末のホリデーシーズンと重なる10~12月期の業績見通しも市場予想に届かず、決算翌日の株価は一時20%も下げました。
APPLE
7-9月実績 | 市場予想 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 901億ドル | 889億ドル | +8% |
EPS | 1.29ドル | 1.27ドル | +3% |
なんとか生き残ったAppleは、他の企業のような決算発表後の株価急落を回避できるくらいには良好な内容でした。
iPhoneの売上高とサービス収入は市場予想を下回りましたが、Apple全体の売上高と利益はいずれも市場予想を上回りました。
ということで、Apple株は時間外取引で不安定な値動きとなり、一時は6%下落しましたが、-1%安で踏みとどまりました。
GAFAMの直近5日間の株価
やはりMetaだけずば抜けて酷いですね。
しかし、Appleはなんとプラスで終えてますね。
年初来で見ると、どれも酷いですが、Metaに関して71%以上も下落しており、コロナショックの底より沈んでます。
実は、今回の決算は、市場予想と比べたら悪かったということになりましたが、決算自体はそこまで悪いものではなかったという意見も多数聞きました。
もちろん今回の業績悪化は、アメリカの金利高からの景況感悪化のせいもありますが、海外売上比率が非常に高いGAFAMは、ドル高とインフレの影響が非常に大きいということですね。
逆に、金利が落ち着き、ドル安に向かえば、業績は回復し、株価も回復するのではないかということです。
みなさんはどう思いますか?
S&P500とは
それがS&P500の終焉とどう関係があるのか?という話に移る前に、そもそもS&P500とはなんだっけという話を先にしたいと思います。
米国の代表的な株価指数で、米国の大型株(時価総額が相対的に大きい企業の株)500銘柄で構成されています。
- 米国企業である
- 時価総額が131億ドル以上
- 四半期連続で黒字利益を維持している
- 株に流動性があり、浮動株が発行済株式総数の50%以上
米国市場にはさまざまな国の企業が存在しているので、あえて設けられたルールだと言われています。
時価総額が131億ドル以上というのは、日本円で約1.9兆円で、これを満たす日本の企業は100社程度しかないようです。
4半期連続というのは、コロナショックのような暴落が起きたとしても例外は認められません。
浮動株とはマーケットに流通している株のことです。大株主などは頻繁に売買しているわけではないので、発行している株式全てが流通しているわけではありません。
S&P500はその流通している株が、発行済株式総数の50%以上であることを求めています。
4半期に一度、構成銘柄が採用基準を満たしているかどうか検討し、場合によっては銘柄を入れ替えます。
つまり、S&P500の構成銘柄になるには、非常に厳しい条件を満たさなければならないということです。
S&P500が終焉と言われている理由
で、今回なぜGAFAMの決算ボロボロという事実が、S&P500の終焉に繋がるかということを説明したいと思います。
S&P500はアメリカの大型株500社で構成されているのですが、500銘柄もあるということは、細かく見るとその中には業績が芳しくない企業も含まれるということになります。
つまり、S&P500に投資する=結果的にそういった冴えない企業にも投資してしまうことになります。
そして、それらの企業は、S&P500のパフォーマンスの足を引っ張ります。
みなさんはこちらのグラフを見たことはあるでしょうか?
こちらは、2010年から2020年の10年間における株価推移を表したものです。
爆上がりしている青いチャートがS&P500の上位5銘柄であるGAFAMの株価、赤いチャートはS&P500のGAFAMを除いた495銘柄の株価、そして、黒いチャートは日本の株価指数であるTOPIXです。
何が言いたいかというと、私たちが最強と信じてやまないS&P500もGAFAMを抜いてしまえば、今まで米国株と比べてパフォーマンスが劣ると小馬鹿にしてきたTOPIXと大差ないということです。
フェアに比較するならTOPIXの上位5銘柄も除外しろよという声が聞こえてきそうですが、一旦置いておきましょう。笑
S&P500が終焉だと主張している人の理由は、これまでのS&P500のパフォーマンスはほとんどGAFAMのおかげなので、GAFAMが終わるということは、S&P500も終わるんじゃないのということだと思います。
そして、これからは、S&P500へ投資せずに、次なるGAFAMに個別株投資することで爆益を狙えるんじゃないの?ということです。
それでもS&P500に投資する理由
理論上そういうことになりますが、これは飽くまで結果論でしかありません。
そんなことができれば、世の中億万長者だらけです。
こちらは1989年時点と2022年世界時価総額ランキングです。
1989年の方を見ると、なんとランキングTop5を日本企業が独占していることが分かります。
また、ランキング50位まで見ても、日本企業は32社もランクインしており、バブル期の日本企業の強さを感じます。
しかし、2022年を見てみると、残念なことにTOP10に日本の企業は1社もありません。
Top10はサウジアラビアの石油企業であるSaudi Aramcoと台湾のTSMCを除き、Google、Apple、Meta Platforms、Microsoft、Amazonを含むIT企業やTeslaとアメリカ企業が独占しています。
ちなみに日本企業は50位以内にトヨタが1社のみがランクインしてます。
30年前の人が、30年後にこれだけ入れ替わるということを予想できたでしょうか?過去と現在の業績は分かっても未来がどうなるかは誰にも分からないのです。
何が言いたいかというと、たった30年間でこれだけ上位が入れ替わるので、今後30年間でも上位が入れ替わる可能性が十分あるということになります。
直近10年はたまたまGAFAMが強かったというだけで、この先ずっとGAFAMが牽引し続けるとは限りません。
現に、最近TeslaがMetaを追い抜いてしまったことは有名な話です。
その入れ替わりを常に予測して投資し続けるのは、至難のわざです。
プロでも難しいと思います。
しかし、S&P500に投資しておけば、500社に分散投資できますし、銘柄の入れ替えも年に数回も勝手に行ってくれるので、例えTeslaがMetaを追い抜くほど成長したとしても、S&P500を保有しているだけで、その恩恵を受けることができます。
また、S&P500は時価総額加重平均を採用しているので、伸びに伸びてる人気の企業ほど構成割合が多くなり、逆に人気がない企業ほど少なくなります。
こちらはS&P500の2021年とその5年前の2016年のセクターのウエイトの変化を表したものです。
これを見ると、現在は情報技術セクターに大きく傾いており、指数の約28%を占めています。
そのウエイトは2016年の21%強から、過去5年間で大きく伸びています。この増加はもちろんGAFAMやTeslaなどの成長の勢いが反映されたことが理由に挙げられます。
逆に、消費財やエネルギーセクターは、5年前と比較してウェイトが大きく減少しています。
このようにS&P500を保有しておくだけで、相場環境に適したセクターに多く投資することができるというのが、最大の強みと言えます。
これらを自分でやろうとすると多分無理です。
優秀な500社に分散投資して、年に数回リバランスして、時価総額に応じて保有割合も変えるなんてことを自分でできるはずもありません。
それにも関わらず、S&P500に投資できる有名ETFであるVOOは、経費率たったの0.03%でそれらを行なってくれるので、手間がかかりません。
特にFIREを目指している方にはおすすめです。
FIREの準備としては、「投資」だけでなく「収入を増やす」「支出の最適化」「家族と価値観の共有・理解」など、いろいろと並行して進めていかなくてはなりません。
このようにFIREまでにはやることがたくさんありますから、S&P500に投資しておいて、空いた時間は準備に時間を回したほうが全体的に効率的です。
さらにS&P500には、グロース銘柄とバリュー銘柄が満遍なく含まれているという点も強みの一つです。
こちらは、S&P500のグロース株に連動するETF「SPDRポートフォリオS&P500グロース株式ETF(SPYG)とバリュー株に連動するETF「SPDRポートフォリオS&P500バリュー株式」(SPYV)の値動きを比較したものです。
2001年をゼロとして比較すると、2015年まではバリュー株がグロース株を上回っていますが、以降はグロース株がバリュー株を上回っていることがわかります。
ご覧の通り、グロース株とバリュー株のどちらが有利かは、市場環境によって変化します。例えば、現在のようにインフレ率が高くなると、インフレが行き過ぎないように政府は金利を引き上げて金融の引き締めを行います。
そのときにはバリュー株が有利になる傾向があります。
実際に2021年7月末はAmazonの株価が大きく下落してたにも関わらず、他の企業の株価の上昇が補ってS&P500は最高値を更新しています。
つまり、S&P500に投資しておけば、バリュー株とグロース株のどちらかが調子いい時でも、その恩恵を受けられるということが言えるのです。
米国株の今後10年は低迷するかも?
1970-2020年の50年間における米国株式と米国を除いた全世界株式のどちらがリターンが高いかを表しているグラフになります。
真ん中の線より上の場合、米国の方がリターンは高く、下の場合は、米国以外の方がリターンが高いということになります。
これを見ると、過去10年間は、米国株がアウトパフォームしてきていますが、さらに10年遡ると米国を除いた全世界株式の方がリターンが高いんです。
ご覧の通り、両者は周期的に交代でアウトパフォームする傾向があることが分かります。
米国最強と言われているにも関わらず、意外かもしれません。
実際にバンガード社の今後10年の予想によると、S&P500のリターンは3.2%とかなり低く見積もられているにも関わらず、全世界株は6.2%とS&P500よりも倍近く高いリターンを予想しています。
つまり、先ほどのグラフと合わせて考えると、今後10年は米国株式よりも全世界株式の方が儲かる時代が来るということが言えます。
いつの時代も米国株に投資しておけば一番儲かるというわけではないということです。
もしも、今の話を聞いて不安になった方は、S&P500一本だけではなく、オルカンなどの全世界に投資できる商品も持っておいた方がいいのかもしれません。
- 1本で先進国・新興国の株式3000銘柄に分散投資できる。
- 業界最低水準の運用コストをめざしていて、低コストで運用できる。
- 分配金がファンド内部で再投資され、効率よく資産形成ができる(投資家が分配金を受け取ると課税されるが、ファンド内部で再投資した時点では課税されない)。
最後に
今回はそんな感じです。
Twitterをやっている人は、要注意です。
GAFAMの終焉だとか、これからは個別株投資の時代だとか結構騒がれてたりするので、心揺さぶられないように適度な距離を置いて、米国株投資を楽しみましょう!
以上です!
【自己資金ゼロで資産運用】5,000円をGETする方法を一緒にやってみましょう。
【無料書籍】長期投資・高配当株投資の勉強にオススメの「はじめての資産運用」が今だけ無料配布中!
【自己資金ゼロで資産運用】1,000円相当のビットコインを無料でGETする方法
もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。