どうもGenki(@GecchoM)です。
私は先日ついにFIREを達成し、タイ移住に向けて準備中の一般男性です。
1月13日にグローバルX社からS&P500配当貴族ETF 2236という商品が新登場し、東京証券取引所に上場しました。
グローバルX社と言ったら、まさか?
そうそのまさかです。有名な超高配当ETFを多数輩出している運用会社です。
私も2022年は、グローバルX社のQYLD、XYLD、RYLDにはお世話になりました。(どのくらいお世話になったかはこちらの動画をご覧ください。)
超高配当ETFと言ったら、高い利回りを実現できる一方、株価は右肩下がりでクセが強いでお馴染みじゃない。
まさか今回のETFもそういう系?
それが違うんです。今回紹介するETFは、グローバルX社にも関わらず、非常に堅実で誰にでもオススメできる商品です。
さらに分配金も出るため、高配当株投資好きにとっても魅力的なものに仕上がっています。
そういえば、S&P500配当貴族ってなんだか聞いたことあるよね。
実は、去年に日興アセットマネジメントから販売されたTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)という投資信託が新しく販売され、私も動画で紹介しました。
今回は、その投資信託との違いについても解説していきますので是非最後までご覧ください!
- S&P500 配当貴族ETF 2236とは
- Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)との違い
- 結局買いなのか
S&P500配当貴族指数とは?
当ETFについて理解するためにはまず、S&P500配当貴族指数について知っておかなければなりません。
なぜなら、当ファンドはこのS&P500配当貴族指数への連動を目標とした商品だからです。
S&P500指数の構成銘柄のうち、 25年以上にわたり連続増配を行なっているかつ、時価総額30億ドル以上の企業の株式で構成される指数
ちなみに日本で25年以上増配を続けている企業はほぼありません!
つまり、Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)と連動する指数は全く同じです。
S&P500配当貴族指数の構成銘柄がどのように決められているかを紹介します。
銘柄数は少ないものの、かなりリスクヘッジされているファンドです。
インデックスファンドっぽいけど、実はアクティブな運用をしているのね。
こちらが構成銘柄の時価総額上位10銘柄です。
大型優良株ばかりですね。
正直言うと、アッヴィとアボットラボラトリーズはピンときてないです!
ただ言えるのが、私たちの実生活に欠かせない企業が多く含まれているということです。
補足すると、構成銘柄の半分以上は、40年以上にわたり増配を続けているそうです。
それだけ増配を続けているということは、財務が安定していると言えます。
なぜなら、景気が悪化したとしても配当金を出せるほど利益を安定的に出し続けているということになるからです。
40年というと、ITバブル崩壊もリーマンショックも乗り越えていることになるので、これは間違いないと思います。
現在のようにインフレが進み、金利が上がり、株式の魅力が低下しているときにこれらの銘柄は、投資する選択肢の一つになる可能性があります。
S&P500と比較すると、大きな違いは、構成最大銘柄のウェイトです。
S&P500配当貴族指数は均等平均を採用しているため、最大でも1銘柄1.8%のみ、S&P500は時価総額加重平均なので6.5%となっています。
要は、S&P500配当貴族指数に投資しておけば、64銘柄に均等に分散投資できます。
セクター内訳を見ると、特徴の差がよく分かります。
S&P500は情報技術、いわゆるテクノロジー系のイケイケ企業が多くを占めていますが、S&P500配当貴族指数は、生活必需品や資本材・サービスなどの景気に左右されにくいセクター比率が多くを占めています。
その証拠に年間騰落率を比較すると、上昇相場では両指数とも同じくらいのリターンですが、下落相場では配当貴族指数の方が下落が限定的になっていることが分かります。
つまり、S&P500に投資してるときと同じくらい資産が増えるし、下落相場ではS&P500よりも資産が減らないということです。
また、両指数の配当利回りを比較すると、S&P500の配当利回りが1.6%に対して、S&P500配当貴族指数は2.3%と上回っています。
テクノロジー系企業は配当金を出さずに事業投資に回すことが多いため、配当利回りが低い傾向にあります。
S&P500配当貴族指数の特筆すべき魅力はそのパフォーマンスにあります。
過去10年のパフォーマンスをS&P500と比較すると、なんと配当貴族指数の方が若干上回っています。
S&P500配当貴族ETF 2236の特徴
ということで、以前紹介したTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)と中身は全く同じです。
一体何が違うの?
大きな違いは3つあります。
- 東証ETFであるということ
- 分配金が出るということ
- コストに差があるということ
東証ETFであるということ
私がよく投資しているVYMなども同じETFですが、米国の証券取引所に上場しているETFです。
しかし、今回紹介しているS&P500配当貴族ETFは東京証券取引所に上場している国内ETFです。
実にややこしいね。
取引時間→日本時間に行えます。米国ETFのように深夜帯まで起きておく必要はありません。
取引通貨→円で買うことができます。米国ETFの場合、一度円からドルに替える必要があります。
分配金→円で受け取ることができます。米国ETFの場合は、ドルで受け取るので、実際に使用する際は日本円に替えなくてはならず、さらに為替手数料もかかってしまうため手間です。
外国税額控除→米国からの分配金は、米国でまず10%の税金を引かれたのちに日本で税金が引かれるため、二重課税となります。しかし、東証ETFの場合、分配金を受け取り時に自動的に二重課税を調整してくれるため、非常に便利です。逆に米国ETFの場合は、毎年確定申告で外国税額控除を行わないと二重課税は解消されないため、手間です。
確定申告やったことある方は分かると思いますが、非常に面倒くさいです。書類集めて、e-taxにログインして、なんだかんだやってると1日あっという間に経ってしまいます。
これをやらなくていいとなるとかなり魅力的ですね。
分配金が出るということ
こちらがTracersとの最も大きな違いではないでしょうか?
Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)は、分配金が投資信託内で自動再投資されるため、分配金が出ないことが特徴としてありました。
分配金が出そうな名前なのに・・・
そのため、通常の投資信託と同様、お金が必要になった場合に、取り崩す必要がありました。
しかし、今回のS&P500配当貴族ETFは分配金が出ます!
しかも、年に6回!ちなみにVYMなどの高配当ETFは年4回です!
二重課税は自動調整してくれるということで、日本の税率20%だけを差し引いた額で計算しています。
利回りはそこまで高くないので、やはりそれなりの分配金を貰うにはそれなりに投資する必要があるね。
コストに差があるということ
こちらは全てS&P500配当貴族指数に連動したファンドですが、コストの差があります。
2236も安いですが、やはりTracersのコストがオルカンなどの低コストインデックスファンドと同じくらい安いので目立ちます。
ファンド | 信託報酬 |
---|---|
S&P500配当貴族ETF 2236 | 0.3025% |
Tracers S&P500配当貴族指数インデックスファンド | 0.1155% |
SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン | 0.605% |
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族 | 0.55% |
NOBL | 0.35% |
グローバルXもっと頑張れ!
S&P500配当貴族ETF 2236投資すべきか?
結論から言うと、投資しなくても良いと思います。
少なくとも私はしません!
- 低コスト米国ETFと比べるとコストが高い
- 高配当としては分配利回りが低い
- トータルリターンも特に高いわけではない
低コスト米国ETFと比べるとコストが高い
やはりコストがネックですよね。
S&P500配当貴族指数にこだわるなら、やはり低コストを実現しているTracersの方が長期的に見て投資妙味があります。
ETFにこだわるなら、もっと低コストで優秀な米国ETFは多数存在しています。
まずは中身が似ているという点で、10年連続増配している企業に投資できるVIGはコストが0.06%と約半分で運用できます。
また、実際に私が投資している米国高配当ETFも低コストであるため、わざわざ2236に投資する必要性は低いと考えています。
ファンド | 信託報酬 | ベンチマーク |
---|---|---|
S&P500配当貴族ETF 2236 | 0.3025% | |
Tracers S&P500配当貴族指数インデックスファンド | 0.1155% | |
VIG | 0.06% | 10年連続増配している米国企業 |
VYM | 0.06% | 平均以上の配当を出す米国企業 |
HDV | 0.08% | 高配当に加えて財務健全性が高い米国企業 |
SCHD | 0.06% | 高配当に加えて財務健全性が高い米国企業 |
VYMの5倍!私たちが使用している海外証券会社はドルから円に換金する時の手数料も低いので、私にとっては米国ETFで十分です。
ちなみに日頃私はVYMが最強と言っていますが、正直言うと、SCHDが日本で買えるようになれば、VYMを超えて最強になると思います。
高配当としては分配利回りが低い
忘れてはいけません!S&P500配当貴族ETF 2236の最大の魅力は分配金が貰えること!
しかし、コンセプトが類似しているVIGは1.9%なので2236とほぼ同程度の利回りとなります。
また、米国高配当ETFの方がやはり配当利回りが高いので、高配当の位置付けで持つには少し物足りなさを感じます。
ファンド | 配当利回り | 備考 |
---|---|---|
S&P500配当貴族ETF 2236 | 2%前後 | 未定 |
VIG | 1.9% | |
VYM | 3.00% | |
HDV | 3.58% | |
SCHD | 3.38% |
少なくとも今の生活を豊かにしたいと考えている私のようなFIRE民には、物足りないかもしれません!
トータルリターンも特に高いわけではない
コストが高くても配当利回りが物足りなくても、トータルリターンで勝っていたらいいじゃないか!
こちらはVOO(S&P500)、NOBL(S&P500配当貴族指数)、VIG、VYM、SCHDの2017年からのトータルリターンを比較したものとなります。
高配当ETFには勝っていますが、類似しているVIGの方が高リターンを記録していることが分かります。
- コストと分配利回り、トータルリターンの観点で選ぶなら、S&P500配当貴族指数ETFよりもVIGに投資した方がメリットが大きい
それでもS&P500配当貴族ETFに投資したい人へ
それでもS&P500配当貴族指数ETF 2236に投資するならどんな人が向いているのかを紹介します。
- S&P500と同等のリターンを得つつ、ポートフォリをのリスクを抑えたい人
- 今を豊かにしたい人
- 投資初心者で、気軽に高配当ETFに投資したい人
最初にも説明したようにS&P500配当貴族指数自体のパフォーマンスの優秀さは証明されてます。
また、セクター構成もS&P500とは被らないため、分散も効かすことができますし、実際に下落耐性が強いです。
そのため、S&P500や全米株式、全世界株式のサテライトで保有することでポートフォリオのリスクを抑えられることは確かです。
今の日本は先日の動画でも説明したようにインフレ、増税、社会保障の負担増大、低賃金などで今の生活に余裕を生み出すことが困難になってきています。
そのことを実感しており、今すぐにでも生活を豊かにしていきたいけど、投資初心者という方には、今回のETFはオススメです。
なぜなら、分配金を円で受け取れるからです!
米国ETFの場合はドルで分配金を受け取ることになりますが、それを円に換金する方法や手数料、そして、為替差益などについても株とは別に理解する必要があり、外国税額控除のための確定申告についても理解し、実施しなくてはならないので、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
しかし、S&P500配当貴族ETF2236に投資しておけば、分配金を円で貰えるし、確定申告もしなくていいので、そういう意味では、投資初心者でも気軽に今の生活を豊かにできる、かつ、分散投資もしてくれる優秀な商品だと思います。
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